<注意>
今回のエントリーでは、レンズ命!な方には心臓に悪すぎる画像(笑)が出てきますので、十分にお気を付け下さい。
<本編>
先日公開したエントリー(売れ残りのディスタゴン君で撮影。)でコメントを頂きました。詳しいコメント内容は、そちらのエントリーをご覧頂く事とし、今回のエントリーを進めますね。
ご指摘いただいたことですが、そのエントリー内で僕は
”この程度の傷で光学性能が変わるようだったら、工業製品として失格。”と、述べました。が、さすがに言い過ぎたと思います。厳密には光学性能に影響はあるはずです。そこで、
”この程度の傷で、影響を視認できるほどの問題が出る事は無い”と、訂正致します。
ただし、同コメント内の
”デジタル一眼レフでの大きな問題になっているCCDに付着するゴミを例に出せば、これは絞ればかなりはっきり画像に現れます。”という内容には、同意致しかねます。
デジタルカメラのCCDセンサー(正しくはセンサー保護材上に付着するゴミ)に起因する問題と、レンズ面の傷による影響(デジタル、銀塩問わず)は、残念ながら全くの別物です。同一の物として語るのは無茶だと思います。
同じレンズを複数持っていますので、それらを使って比較撮影をすれば良いのですが、それでは面白くありません。もっと過激に検証する事にしました。
それでは今回の大実験(大袈裟)を始めましょう。
カメラ: Canon EOS 20D
レンズ: Carl Zeiss Planar FE 80mm F2.8 T*
方法はいたって簡単。適当なレンズを選んで、仮想の傷(正確には光学特性に影響を与えると考えられる状態)をレンズ面に施すだけ。
この写真では、油性マジックでレンズ中心付近にクロスの線を引いています。インクの塗膜厚と、専有面積から考えると、レンズ表面に付いた拭き傷よりも、ずっと大きな影響(入射光の邪魔をする)を及ぼすはずです。
当初はハッセルブラッドで撮影するつもりでしたが、デジタルカメラで撮っても問題は無いので、EOS 20Dに取り付ける事にしました。こういう時はデジタルカメラは本当に便利ですね。
被験レンズは一番ポピュラーなプラナー80ミリ。カメラは三脚に固定し、同じ被写体をレンズの各絞り毎(F2.8、4、5.6、8、11、16、22)に撮影し、描写の変化を確認しました。
室内撮影だったので、光量を稼ぐ為にEOS用のTTLフラッシュを使用しています。ただし、今回使用したツアイス レンズはEOS側とのデータ通信を行えませんので、TTLの自動調光は不安定になっています。しかし、実験意図(絞りの変化によって傷の影響を視認できるか?)には関係ないと判断し、気にしない事としています。