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2005年05月01日    コメント ( 7 )

明治時代の銀座通りを撮っていた曾祖父。

前回のブログを書いてから日本の父へ連絡をし、新たに資料を送ってもらいました。僕の曾祖父、憲三が撮影した無数の写真はほとんどが医学写真でしたが、当時の街を撮影した写真もたくさんありました。今回、紹介する写真は憲三お祖父さんが撮った物ですが、

注:現在は学研が原板および版権を管理しています。写真は特集記事として掲載されたCAPA誌81年12月号からスキャンし、一部、文章を引用しています。追記:CAPA編集部にコンタクト済み。

憲三お祖父さんは日本での乾板による写真撮影の最初期の人物で、当時の風俗などの貴重な資料を残しました。関東大震災で失われる事も幸いありませんでした。


正月の銀座。明治33年(1900年)

この写真は、現在は海外ブランドが建ち並ぶ100年以上前の銀座通り。正月3日で、国旗がたくさんはためいています。まだ鉄道も馬にひかれています。

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さいかち坂から見た水道橋。明治32年(1899年)

乾板写真とは、ガラスに感光剤を塗って撮影する技法。フィルムではなくガラス一枚が一つの写真となります。憲三お祖父さんは化学にも強かったそうなので、写真化学反応も楽勝だった事でしょう(笑)。

レンズはツアイス、乾板はイルフォード製をドイツから輸入していたようです。乾板の大きさはキャビネ(12X16.5センチ)なので、かなりの重さになったず。

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品川湾。明治32年(1899年)

品川で潮干狩りが出来たというのも驚き。

前回のブログで紹介した、憲三お祖父さんの著作”写真小話”の前書きに興味深い記述がありました。現代的な文に僕が要訳すると

”絵画など芸術に秀でるには天賦の才と、絶え間なき努力が必要です。写真撮影も例外ではありません。しかし、写真が絵画などと異なるのは、初心者だとしても、正しい知識を持つ事でかなりのレベルの物を撮る事ができるのです。絵画ではこのような、まぐれ当たりはありませんが、写真は科学の理論で全て対応できるのだから、アマチュアでもきちんとした知識を持ちましょう。”

という、現在でもそのまま通じる事を説いています。さすがは学者だと感心しました。


 
 

コメント

トラックバックいただいたので訪ねてきました。

貴重な写真ですね。

私のブログに載せている乾板ケースもキャビネ版でした。

多分同じ頃のものと思いますが、こちらは横浜の老舗の写真館の倉庫を整理していた時に発見したものを譲ってもらったので、詳しい年代などは不明です。

カメラも分解してしまってあるので、今度組み立ててみようと思っています。

投稿者 くまぱぱ


くまぱぱさんへ

こんにちは!今のデジタル撮影と比べると遙かに手間の掛かる、乾板による大判写真撮影ですが、当時は湿版写真の時代と比べると、やっぱり遙かに手軽だったようですね。ぜひ、カメラも組み立てて使ってみて下さいね。

投稿者 Ikuru


こんにちは。

Ikuruさんの曾祖父さん、すごい方だったんですね。

その血を受け継いでいるIkuruさんもただものではない!とBlog見ながらいつも感じてます。

つぎつぎといろんな話題が登場し楽しみです。

私もキャノン50mm f1.8とシグマ18-50f2.8購入してみました。

50f1.8をまず使ってAEで子どもたくさんとってみました。

ちょっと上達した気分です。

投稿者 かずずん


かずずんさんへ

ラグビーをしているお子さんの写真を拝見しました!(そうですよね?)お父さんと楽しそうに遊んでいるお子さんが、とても良い感じに撮れているとおもいました〜!

曾祖父さんには残念ながら会った事がないんですよー。話してみたかったかな。

投稿者 Ikuru


Ikuruさん

はじめまして。
ずいぶんと前の記事にコメント失礼いたします。
(ジョージ・ジェンセンのリンクから参りました。私たちの結婚指輪もGJです 笑)

>乾板写真とは、ガラスに感光剤を塗って撮影する技法。フィルムではなくガラス一枚が一つの写真となります。

という部分にひっかかり、お尋ねしたいことが。

実家に、明治時代からの家族写真とともに、葉書くらいの大きさのガラスに人が写ったものがあり、いったい何なのだろうと思っていたのですが、この記事を拝見して、これが乾板写真というものだろうかと。
心配なのは、このまま放っておくと消えてしまうのではないか、ということです。

保存処理できるのか、または、写真用の印画紙にうつせるのか、ご存知でしょうか?
他の紙の写真もこのままだと劣化する一方だと思うのですが、何分、写真に関する知識がないもので、うかつにどちらかへ持ち込んで駄目にしてしまうことのないよう、Ikuruさんがもしご存知ならとにおたずねした次第です。
ニコンの蛇腹式というのか、角型のカメラもあり、しまわれたままです。
生き返らせる方法があるのだろうか、と思っておりました。

同じ時代の写真ということで、不躾ながら親近感を覚えております。

投稿者 Nc


Ikuruさん

先日は、突然のお尋ねで失礼いたしました。
その後、アーカイバル容器を手がける方とお知り合いになり、
とりあえず現状より理想的な状態へうつすことができました。

最近のモユルくん、ミチカちゃんのお写真や、遊園地の
鮮やかな色合い、とてもいいですね。
いつか北欧へ家族旅行できたら楽しいだろうなと
想像しています。

投稿者 Nc


NCさん
こんにちは!調べようと思っていたのですが、色々と忙しくしていたら失念してしまっていました。申し訳ありません。でも、何かしらの策があったとお聞きし安心いたしました。印刷や、デジタル化が出来ると良いですね!

投稿者 いくる


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