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2007年11月07日    コメント ( 4 )

Capellagårdenの職人試験作品。

ストックホルムで一二を争う高級家具店のマルムステン家具店で、今週だけの小さな展示会が開催中です。カペラゴーデンの家具インテリアデザイン科(木工科)の学生が作った職人試験作品が並んでいます。

カペラゴーデンとはスウェーデン南東部の島にある学校。家具製作の学校として、ストックホルムのマルムステンCTDと双璧をなしています。僕はそこを卒業してから、ストックホルムへやってきました。カペラゴーデンはこんな所。世界でもまれに見る素敵な場所です。

当然、見に行かねばなりません。久しぶりに家具のネタなので張り切っています(笑)。

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全部で6つの作品が、入り口横のスペースに置かれていました。

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机の天板を横にスライドすると小物入れが現れます。

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これはマルムステン(スウェーデンの家具デザイナー)がデザインした戸棚です。職人試験(詳しくはこの辺で)では作者のオリジナル作品でなくても、試験に必要な要素(扉、引き出しなど多数)が含まれていて、オリジナル図面に忠実に作れば問題ありません。その点、マルムステンの作品は試験課題としては最高でしょう。難しいけどね。

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この大きさの引き出しを、木目を合わせつつ、隙間をここまで狭く仕上げるのはかなりの困難を伴います。

普通に見えちゃうところが恐いのですが、本当は非常に手間が掛かっているんですよ。

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色々な機構が隠されているサイドボード(かな?)。早速モユルが動きを確かめています。注:モユルもちゃんと分かっているので取り扱いは丁寧です。


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黒い一人がけのアームチェアーはマルムステンによる物。色々なモデルがデザインされていますが、日本人の体型や生活空間にはこれがしっくりくると感じています。

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真鍮に強化プラスティックかな。構造はどうなっているのかな。


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端正なフォルムの飾り棚。

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蝶番(ちょうばん、ちょうつがい)や鍵の取り付けも、職人試験の重要な評価項目です。


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ディテールに溢れた机ですね。デンマーク家具の影響を感じます。けっこう僕好み。

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試験の採点としては、このようなワザを見せる必要は無いのですが、やっぱり特別な作品として細部にまでこだわってしまうのです。で、僕とかは最後に苦労するんだけどね。

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この象眼が施された大きな戸棚も試験作品です。鍵がかかっているので中を見られないのが残念。
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1967年の一人目から数えて、今年で100人目の職人がカペラゴーデンから輩出されたことを記念して企画された本が販売されていました。展示会中だけ売るというので、とりあえず複数のまとめ買いをしておきました。


 
 

コメント

先日お店で声を掛けた者です。
ブログを読んだら無性に家具が見たくなったので
今日行って見て来ました。ikuruさんの説明がなかったら
細部のこだわりや技術を見逃していたと思います。。

ついでにソファや肘掛椅子も“鑑賞”してきました。
恐れ多くて座ることすらできず、なでることが精一杯でした。。ちょっと手が出せない値段でしたが、いい目の保養になりました。

それにしてもすごく“北欧”“スウェーデン”なお店ですね。

投稿者 tomomi


tomomiさん
こんにちは!どこでお会いしたかな?と、ちょっと悩みましたが、思い出しました。家具店へ出向かれたのですね。なかなか見られない物たちですので見応えがあったのではないでしょうか。
あそこの家具は試しに座っても全然構いませんので、次回はぜひ!新品だと硬めの座面なのですが、例えばJättepaddanという椅子などは柔らかいクッションが上面に使われているので、極上の座り心地ですよ。

投稿者 Ikuru


同じ木工職人さんの見るアングルでこうして見せて
もらえるのが、なんだかお得な感じです。笑
ほんとにどれも美しい。
神はディテールに宿る、という言葉、まさにそうですね。
手触りとか匂いとか、生で見たらもっとステキなんだろうなあ。

投稿者 ホリデー


ホリデーさん
そうですね、特にこの様な特別な家具たちはディテールへの拘りも大事ですよね。引き出しの動きなどをぜひ体感して頂きたいです。

投稿者 Ikuru


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