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2007年05月13日    コメント ( 10 )

3つの目標。

このブログを含めて、www.ikuru.netへのアクセスはいつも2000カウントくらいなのに、今朝はなぜか既に7000カウント。あまりにも異常な値だったので何事かと思っていたら、金曜日朝に日本のテレビ番組でカペラゴーデン(僕が3年間学んだ学校)を紹介していたそうです。最終的に一万カウントを超えました。

ということで、録画したという方、ぜひお知らせ下さい!毎日放送の”知っとこ!”という番組だそうです。

さて、今日は訪問者も増えたことだし、かねてから計画中のプロジェクトを発表しちゃいます。

個展が終わった後に、今後何をするかを紹介しましたが、あれは比較的短期の予定でした。

しかし、個展中にも非常に多くの方から聞かれた事柄がもうひとつ。
(質問1)「ところで今後、どうするの?」

会場で僕は「現在学んでいるマルムステンCTD(以下、マルムステン校と記述)を卒業する事が当面の目標(目標1)」と答えました。「え、職人試験にも合格して、卒業したんじゃないの!?」と思われた方が多かったようです。実際は、職人試験を取得し、スウェーデンでの大きな目標を達成したわけですが、マルムステン校を正式に卒業するにはもう一つ課題があるんです。

それは「卒業論文/卒業研究」。マルムステン校は現在、スウェーデン国立のリンショーピン大学に所属しています。その為に、ちゃんとした文章をまとめ、発表と提出を行うことで大学の学位を得ることができるのです。これまでの単位を全て取得していた(自分で言うのもなんですが、結構たいへん。同級生では5人中3人だけが達成)ので、卒業プロジェクトを始める資格がありました。そして僕が選んだテーマが、日本での個展。

スウェーデンで作った家具作品の紹介を通して、マルムステンの活動や、マルムステンの学校(カペラゴーデンとマルムステンCTD)を紹介する事が個展の主目的でした。しかし、個展中に様々な依頼を頂いたことで、卒業レポートに記述することをさらに増やすことになりました。個展を通して得たことに触れた方が、内容がずっと深まるからです。

こうなるとちょっと問題になるのが、卒業までの最短距離。公式な発表(プレゼンテーション。必須)は年2回、5月と9月だけなんです。現在の様子からすると、今年の9月はちょっときつい雰囲気。そうなると次は来年になってしまいます。ビザ更新が出来なかったり(移民局の判断次第)すると、発表のためにスウェーデンへ再渡航する必要が生じてしまいます。上手くいくと良いな。

まあ、これくらいは何とかなるとして、さらに良く聞かれたことが、
(質問2)「今後もずっとスウェーデンにいるつもり?」

答えは。。。

僕はスウェーデンに居続けようとは、全く考えていません。日本で活動するつもりです。とりあえずは、工房を持って、家具を作って、家族を養う(目標2)。これが最初にすることになると思います。

でも、実はもう一つ、どうしたら実現可能かを、ずーっと考えている秘密の計画(もうヒミツじゃないけど)があります。これはまだ一部の方にしか話していませんでしたが、カズエママとの相談の結果、公にする事にしました。

いつ実現するか全く分かりませんが、非常に挑戦し甲斐のある計画です。

「物作り、芸術を志す若者の為に、最高の環境を用意すること」

要するに、学校を作る(目標3)ということです。一番の理想はカペラゴーデン(控えめに見ても、世界最高と言えるだけの素晴らしい創作環境が整っていると僕は思います)の様な場所ですが、別にカペラゴーデン分校を作ろうというわけではありません。もちろん出来るに超したことはないけど、あの特殊な場所を目指すのは、少なくとも今は無茶。

しかし、カペラゴーデンとマルムステン校から学べることは山の様にあります。率直に言って、あれだけのレベルの内容を、あの素晴らしい環境で学べる学校は日本にはありません。

それを作りたい。というのがスタート。でも、目標(夢じゃあない)は大きくしておいた方が面白そうです。注:一年後に気が変わっている可能性もあり得ます(笑)。

さて、実現可能かを探るためにも、構想だけはどんどん(勝手に)進んでいきます。

まず場所。
目星を付けている所有り。問題は国立公園すれすれなので、どうそれを突破(笑)するかが当面の課題。

学科。
可能な限り多彩なコースが理想。日本の伝統技術と、モダンな物両方に対応できるようにしたい。カペラゴーデンみたいに陶芸、テキスタイル、園芸、木工。でも、他にも音楽とか写真技術(美術表現かな)、グラフィックアート、絵画などもあると素晴らしい。もちろん、金属工芸も。これらの分野は、自然に囲まれたゆったりとした環境の中で、創作し、学ぶのが最適、そして必然と僕は考えます。コンクリートに囲まれた街中のビルにこもっているより、ずっと良い。都会の刺激も必要だけど、現代社会は自然から受ける刺激の方が少ないですからね。(ストックホルムの都会の中にあるマルムステン校も、数年後に風光明媚な場所に移転します)

次、資金。
まあ、これもなんとかする(全く根拠無し)。

売り文句。
単なる一つの専門学校で終わりたくないので、ある程度の箔付けも必要と考える。マルムステン財団(マルムステンの学校やら版権、図面などを統括する)や、学校の先生にも相談(もちろん構想として)してみた。連携することは出来ると思う。図面を借りて、課題にマルムステンの家具なんて良いなあ。

学生とはいえ、一芸術家としての正当な評価で見てもらえるレベルの学校が理想。そして、卒業後の就職先を探すつもりの者にではなく、自分一人でも活動していけるだけの様々な知識、実力を身につけたい者の為の場にしたい。

最大の問題。
経験豊富な教師をどうやって見つけるか。当然、理想は日本人。実力バッチリ+知識と技術を上手に伝えられる人物。別にマルムステンを知らなくても問題なし。同世代を多く見つけたい。密かにリサーチ中。

マルムステン校の先生も興味有り。学校を作った暁にはぜひ招致してと言われました。お世辞かもしれないけど実現したら、悪くは無い話です。

うーん、構想を立てているだけの、この段階は非常に楽しい。家具をデザインして、図面を描いている最中みたい。いざ作り始めると、すごく大変なんだけどね。

ということで、投資したい方、パトロンに興味有りなんていう素敵な方を、今からでも募集しております。冗談っぽく聞こえますが、結構本気です。え、見返りは何だって?

あなたが支援した青年が、将来、素晴らしい芸術家になるかもしれないなんて想像するだけでもワクワクしませんか?そういう日本では今ひとつの文化(要するに利殖とは全く違う世界)を育てる一端に携われます。

とりあえず、まずは、自分の卒業プロジェクトを終わらせないとね(笑)。一緒に今後のプロジェクトを進められる人も見つけたいです。


 
 

コメント

日曜日の朝から明るい楽しいお話を聞いて晴れやかな気分です。非常に良い志で感服しました。一歩でも前進するように応援したいと思います。日本にも木工を中心に日本の伝統技術を教える学校が飛騨や岐阜にありますが北欧の木工を中心としたものは会社はありますが学校的なものはまだないと思います。総合的な芸術集団構想はすばらしいです。

投稿者 山本


ちょうどGWに、高山市の工芸パークに最近移転したキタニさんにお邪魔してきました。こんなところに!というところですが、すばらしいショールーム(ステージ)と、職人さんに快適な環境を提供しているように思われました。山本さんのご指摘のように会社であり、学校ではありませんが、方向性ににているところがあるように感じています。わたくしは理科系の仕事をしている人間で、たまたま留学先がスウェーデンだったというだけでikuruさんのHpを見るようになった門外漢ですが、こういったところとなんらかの関係もでてくると、将来的にはおおきなものになっていくのかなと感じました。

投稿者 shige


土曜日の朝にTVを拝見しました。
以前より、こちらには遊びにきていたのですが、実際に映像で見れた事はとても嬉しかったです。

学校作りには大賛成です。私はパリで服飾の勉強をしてきました。今は、デンマーク刺繍とエスカにはまっています。

ぜひ素敵な学校を作ってください!応援しています。

投稿者 miyu


どうもです。
以前書き込みさせていただいた者です。
ikuruさんの写真大好きです!

そんな感じでとうとう最近デジタル1眼デビューしました。
NikonのD40です。
またちょくちょく写真の勉強がてら覗かせていただきます。
よろしくお願いいたします〜

投稿者 mad


こんばんわ☆いつも楽しくブログ拝見させていただいています!!
しっとこで放送されていたんですねー!!
見逃しました…残念。。。

そんな素敵な学校…早く作ってください!!笑

学校探しに喘いでいるもので。
日本には未だそういう学校皆無ですもんね。

これからのご活躍はもちろん、モユル君ミチカちゃんのご成長楽しみにしています!!
頑張って下さい☆

投稿者 ハッチ


はじめまして。
いつも、ikuruファミリーの生活、
考えてることを、興味深く拝見させていただいています。

ikuruさんや、カズエママさんの
今後のビジョンはどんなものなんだろう?
と、考えながらみていたので、
今回のブログに、どうしても
反応せずにはいられませんでした。

自分達が受けたものを
次の世代のためにつくり、伝えていく。
それほどに、すばらしい
スウェーデンでの学びと経験だったんですね。
そのことを実際にしようと考えている
お二人の思いも、すごいなあと思いました。

わたしは、家具や、写真など
全くの素人ですが、
みるのが好きで、ギャラリーなどに
行くこともあります。

一度行ったところで、
岡山県の山中に
織物や、木工、家具の職人さんたちが
ともに生活しながら、作品を作っている場所がありました。
廃校を作り変えての、建物で、ユニークなところでした。
宿泊客を招いて、簡単な体験教室もありました。

そんな風に、職人さんと普通の人が
交わることのできる場所になっても
面白いなあと思いました。

先の目標である卒業プロジェクト、
がんばってください。
お二人の活躍がますます
充実したものとなりますよう
お祈りしています。

投稿者 colom


4年前ほどからチョコチョコみてます。見るたび楽しませて頂いております。私は実際にカペラに連絡をとって陶芸で行こうとしていましたが、違う素材(金属)に出会ってしまい、魅了され、今は金属工芸で作品制作と研究をしています。学校作り、ぜひ実現してください。私も技術鍛錬と作品制作を進めて行きます。イクルさんのブログをみていると前向きになれます。

投稿者 ハンナ


皆さん
応援、ありがとうございます。実現できるように頑張ってみたいと思います。ブログ内には書いていませんでしたが、こちらで知り、学んだ北欧の技術教育の良いところを、日本の伝統工芸などにも取りいれられたら嬉しいなと考えています。

madさん
おめでとうございます。ついに念願のカメラを入手されたのですね。楽しんで下さいね!

投稿者 Ikuru


はじめまして。学校のお話し、大変、賛同いたします。がんばってください。

投稿者 日置


日置さん
初めまして!
ご興味をお持ち頂け嬉しいです。ありがとうございます。

投稿者 Ikuru


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