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2005年11月11日    コメント ( 13 )

ストックホルムの公共交通事情。

今年分のスウェーデン滞在ビザ発給準備が完了したとの連絡があり、今日は急遽、家族揃って移民局へ出向きました。ついでに街にも繰り出してみました。

という事で、今回はストックホルム市内の公共交通について。

カメラ: Canon EOS 20D
レンズ: EF-S17-85mm F4-5.6

ストックホルム中央駅。ベビーカーを押しているのでエレベーターを使用して移動しました。どこかの国(日本ね。)と違い、どんな駅でも必ず(僕の知っている限りでは100パーセント)エレベーターが備えられています。

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カメラ: Canon EOS 20D
レンズ: EF-S17-85mm F4-5.6

地下鉄に乗る。ベビーカーでも余裕です。混んでいても全く問題なし。ほぼ確実に場所をあけてくれます。ある国(ニッポン)のように邪魔そうに見られる事はあり得ません。

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カメラ: Canon EOS 20D
レンズ: EF-S17-85mm F4-5.6

今度はバスに乗って僕の通う学校へ。ここから見える景色はこのサイトのトップ写真

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カメラ: Canon EOS 20D
レンズ: EF-S17-85mm F4-5.6

バスには日本では考えられないほど大きなスペースを、ベビーカー用に用意しています。この時点で4台(ちなみに一番奥は双子用のベビーカー)が収まっています。2両編成バスなので後の車両にもスペース有り。どこだったかの国(ジャパン)のように、”畳んで乗って”なんて信じられないような事はあり得ません。ちなみにベビーカーを押している人は運賃0。

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カメラ: Canon EOS 20D
レンズ: EF-S17-85mm F4-5.6

街中で。横断歩道で信号のボタンを押すモユル。ここは信号が付いていますが、市内中心部でも信号無しの横断歩道はたくさんあります。が、歩行者がいれば通行車両は、ほぼ確実(僕の印象では9割5分)に止まってくれます。流れの速い場所などでも驚異的なほど高い確率で止まります。

しつこい様ですが、どこだったかの車天国の国(にほん)と比べると雲泥の差。

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カメラ: Canon EOS 20D
レンズ: EF-S17-85mm F4-5.6

帰りの電車内で。この路線の車両はまだ旧型が多く、乗降時にステップ(2段)があります。が、何も言わなくとも、誰かが”持ち上げる(降りる)のを手伝おうか?”と聞いてきてくれます。人がいなかったとしても、車内の人に一声掛ければ(大抵は向こうから気づく)大丈夫。エレベーターが壊れていて階段を登る必要が生じたとしても、駅員を呼ぶ事になるなんて事はないでしょう。

これらの事は褒め称えて、誇張して書いているわけではありません。子供を連れているからこそ分かるとも言えますが、ストックホルム(スウェーデン)は他のヨーロッパ諸国と比べてもダントツで素晴らしいです。


日本の住宅産業、建築などの設計および広報部さんへ
”バリアフリー充実!”みたいな事を得意げに言うのは止めて下さい。付加価値でもなんでもなく、普通の事です。何も宣伝しないけど、ちゃんとやっている方が格好良いです。むしろ、目的地にたどり着くまでの道のりはどうですか?

”エスカレーター、エレベータ充実計画!”とか随分前から言っている鉄道会社。その様な事柄は企業価値を高めるのではなく、当然やるべき事。誇らしげに広告に載せたりせずに、さっさと全部の駅に設置して下さい。ついでにもうひとつ。”地上に出る途中までエスカレーターがあり、角を曲がった先の残りは階段だけ”なんていう冗談(事実。ホント)かと思える駅がある東京の地下鉄も何とかして欲しい。僕の日本での地元の駅もいつになったら”階段だけ”状態から脱却するのでしょう?

日本の車の運転手さん。パッシングして歩行者を渡らせてあげるとか、対向車に合図を送るなんていうのも、どう控えめに考えても変だと気づいて下さい。こちらが止まるのが当然なんだし、全ての運転手は教習所でそう習っていますし、テストでもそう書かないとバツです。というよりも、交通法規です。なのに、なぜ街を走り出すと綺麗サッパリ忘れるでしょう?  トラブルを招きかねないので、ヨーロッパではやらないで下さいね。

まだまだ、ズラズラと、そして延々と書き連ねられます(講演できそう)が、そろそろ寝たいのでこの辺にしておきます。

日本では最近になってバリアフリーだとか、福祉、社会政策などと高らかに言っています(スウェーデンにも視察ツアーがよく来ているみたい)が、そんな上っ面の事よりもスウェーデンでは、社会を営む人々の意識が遙かに違うようです。そういう事が出来てこそ、本当のバリアフリー(誰にとっても生活しやすい環境)、そして本当の少子化対策になるのだと思います。


 
 

コメント

今回の写真とお話、子供がいる私としては頷くばかりです。どこに行っても子供が一緒だと不便が多いっていうのはおかしな話ですよね。子供がいるから存続する社会なのに。この問題以外でも、とってもとっても普通で簡単なことが、行政とかにかかると複雑化するのはどうしてなのでしょう。。。少子化対策って、こういうことにも目を向けないと変わりませんよね、きっと。

投稿者 Aya


本当に。日本って不便な国です。仕事で車椅子利用の子どもと一緒に、よく出かけていましたが、歩道に駐輪、駐車、看板・・・。バスや電車に乗るときにも周囲の人には声をかけないと乗降を手伝ってもらえない。ある時にはバスの運転手さんから、「リフト付きバスに乗ってください。」と言われ、ドアも開けてもらえず、次のバスを何十分も待たされたことも。

日本は設備も、人の意識もかなり低いです。

せめて、心のバリアフリーだけでもまずは充実してくれることを期待しています。

ストックホルムすばらしいですね。

投稿者 かずずん


すばらしいですね、ほんとに!

日本もベビーカーを押してどこかに行くのには大変だった気がしますが、ここトルコはさらに悪環境。

ベビーカーを押す自体、道路ががたがた、または歩行者用の道路がなく、難しいです。

子供づれでバスなどに乗ってると、日本よりはまだ席を譲ってくれる人、荷物を持ってくれる人が多いですが、今回の記事を読んでため息がでました。

いつになったら、日本もトルコも改善されるのかな?

投稿者 めれっき


はじめまして。約2年前にストックホルムから東京に帰ってきた者ですが、毎日更新を楽しみにしています。素敵な画像と共にスウェーデンの季節の移り変わりを感じることができ、本当に有難いです。さて今回のイクルさんのコメントは全く同感です。東京って本当に子育てしにくい所です...。私はそちらで使っていたベビーカー(我が家もEmmalです)を使い続けているのですが、不便ですよ。ちょっと狭いお店は入れないし、階段は勿論無理だし、何しろみんなの視線が痛いです。そんなに幅とって...という目で見られてしまいます。いつだったか皇太子でも乗ってるのかねーなんていやみまで言われてしまいました。でもあれだけよくできたベビーカーはありませんし、大好きなので使い続けているのですが、やはりこの密度の濃い東京で使うのは難しいのですかね?

あと東京に戻って感じたのは学校や幼稚園の行事に、弟や妹達が参加しずらいということです。スウェーデンではダーギスにもフォーシュコーラにも子供たちを通わせていたのですが、先生はいつでも歓迎モードでしたが、こちらではわざわざ小さなお子様はご遠慮くださいという注意のお手紙をいただく始末です。親が参加している時間は下の兄弟は家において置くように!とでもいうのでしょうか?子供用の小さな椅子に座らされての話し合い、しかも子供の椅子はないので立ったままなど、スウェーデンの教室おいてあったソファーなどの重要さに今更ながら気付かされました。挙げればまだまだ尽きませんが、もっと子育ての環境を整えて欲しいものです。

投稿者 Bamse


何種類、「日本」という表現があるのか参考になりました 笑。私も数ヶ月スウェーデンで過ごした後に日本に帰ったときは色々衝撃受けました。友だちなどになかなかうまく伝えられなかったのですが、Ikuruさんの文章を読んで、「これ!言いたかったことは!!」というかんじです。あと、ほとんどの人が後ろから来る人のためにドアを押さえてくれるのもいまさらながらよかったな〜って思います。

投稿者 Mira


Ayaさん

僕も日本に一時帰国したときに不便だなーと思いました。子連れの家族は外出するなと言っているのかと思えるのが、日本の公共交通の現状(良くなってきたとはいえ、)ですよね。

かずずんさん

それは憤慨ものですね。バス会社に即、苦情を言って良いと思います。車を運転して出かける方もいますが、大部分の方は公共交通に頼らないといけないと言う事をもっと行政にも理解して欲しいですね。

めれっきさん

昨春にイタリアに行った時(一人で)もけっこう大変そうと感じました。エレベータを見つけるのに時間がかかるし、エスカレーターも少なかったです。スウェーデンが”世界で母子に一番優しい国”に選べれるのも、そういう点からなのでしょうね。

Bamseさん

スウェーデンが特に良いとも言えるのでしょうが、あの素晴らしさを知ってしまうと愕然としますよね。でも、それが特別に恵まれていた事ではなく、普通の事なのになぜ、こうも違うのでしょう。

娘の出産の時に、息子を連れて行く事にも全く問題ありませんでした。

Miraさん

今回はちょっと挑発的とも受け取れる書き方をしたのですが、ご参考になさって下さいね〜

投稿者 Ikuru


はじめまして。毎回たのしみながら拝見させていただいてます。

東京に住んでいるわたしにとって、本当にうなずくことが多いコメントでした。

一人で住んでいても、気張ることが多いこの都市で、ご家族がいらっしゃる方たちにとってはさらに不便を感じることかと思います。私も海外に住んだことがあり、日本と外国との違いを肌で感じました。(いろんな意味で)日本についてとくに感じたことは、弱者の意見が通りにくいことだと思いました。基本的に意見、議論をすることがとっても難しい環境です。なかなか割り切れない空気です。一部の人達によって国がまわっているみたいです。そして、表面では素晴らしいことを言っていてもお金、儲けの存在が隠れているようでなりません。もちろん、中には本当に良いものを提供している所もあります。

ただ、そういう大きな流れとか傾向みたいなものはあると東京のまっただ中に住んでいる一個人としては、ひしひしと感じています。

投稿者 ユール


はじめまして。ずいぶん前からいつも楽しく拝見しております。実は私にも娘がいるのですが、つい最近同じようなことを感じたことがあり、書き込みしてみました。

先日家族で外出していたのですが、食事をしようということになったのですが、子連れで入れるお店がなかなかないため、せっかく外出したのにとてもおいしいとはいえない食事をしぶしぶ食べるはめになったのでした。子供がいるということが嫌がられるという事が悲しいことだと思います。交通事情も皆さんの言うとおりです。こちらが恐縮してしまうほどです。本当に少子化対策ってこうゆうこと目を向けて向けるべきですよね?

投稿者 kyoko


知り合いがデンマークに福祉の視察に一週間ほど行っていたらしいのですが、それを聞いて「何度視察したらいいの?そんなお金があったらさっそく行動に移して欲しい!」と怒りを感じました。

スウェーデンにできて日本にできないことは決してないと思います。それに、ベビーカーがどこにでもいけるということは、障害を持った人、怪我をしている人、お年寄りなど多くの人にとってもやさしい社会だと思います。仕事で障害のある子供と外へでても好きなところどこへでもいけるスウェーデン、住んでいると当たり前すぎで忘れてしまいそうです。現在妊娠中ですが、子供が産まれて外出するのがとても楽しみです。同じく現在妊娠中の姉は、「しばらく社会から切り離されるんだ・・・」と言っています。私ももうすぐビザ更新なので、写真の件助かりました。ありがとうございます。

投稿者 るー


初めまして、テレビ放映以来ちょくちょく拝見させてもらっている者です。

現在、建築関係の仕事をしています。私でも微力ながらできることを少しずつ進めていきたいものです。

投稿者 ほし


ユールさん

はじめまして。

そうですね。現代はどの様な事柄でもビジネスが必ず絡んでいますよね。

確かに日本では立場が低い者が意見を述べづらい風潮があると僕も思います。

kyokoさん

子連れで入れないお店があるんですか!?そこまでは知りませんでした。あきれちゃいますね。

るーさん

確かに視察などしなくても、自分が弱者の立場になった場合を深く考えてみればやるべき事は出てくると思います。ただ、それを実行(意見が通るか)させてもらえるかも大きな問題かもしれません。”コストがかかるからダメ”なんて問題外なのですが。。。

ほしさん

ぜひ、宜しくお願いします。

投稿者 Ikuru


今回初めて拝見させていただきました。今僕は日本で福祉や環境について学んでいる最中で、この日記を見て日本の直さなければならないところが分かったような気がします。まず環境よりも個人の気持ちが変わらないと何も始まらないと思いました。
こんな気持ちにさせてくれる日記を見れて本当によかったと思います↑↑本当にありがとうございました。

投稿者 カルガモ


カルガモさん
お役に立てて光栄です。そうですね、市民の意識というのはとても大事だと思います。とはいえスウェーデンだってすぐにこの状態になれたわけではないと思います。長い時間をかけて意識改革に成功したのでしょうね。

投稿者 Ikuru


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